初めての贈与登記

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贈与登記(不動産名義変更)ってなんですか。

不動産(土地や建物)の名義変更をする場合、まず、名義変更をする理由を考えます。不動産の名義を変更したいけれども、それがどういう理由で変更したいのかを考える必要があります。
この理由を考えないで、登記申請書類を登記所に持って行っても、登記は完了しません。

ここでは、その理由が「贈与」で名義を変更する場合について説明しますので、そのほかの理由(例えば、相続、売買、交換など)で名義を変更する場合は、必要書類や登録免許税(登記所に納める税金)、そのほかの税金(国税、不動産取得税)も異なります。

例えば、Aさんが、不動産をBさんに「あげたい」場合、「贈与」で登記することになります。「贈与」は、基本的には、不動産の名義人が無償(ただ)であげる場合に「贈与」という言葉を使います。負担付きで贈与する場合もあります。
登記する場合は、登記申請書に「登記の原因」を記載します。「登記の原因」は、「〇年〇月〇日贈与」と記載します。
このように、不動産の名義を変更する場合、無償であげる場合が「贈与」だということを踏まえたうえで、必要書類や 登録免許税、そのほかの税金を検討することになります。

贈与登記(不動産名義変更)の手順を考える

贈与登記(不動産名義変更)をするとき、何から考えたらよいでしょうか。何から始めたらよいでしょうか。それではまず、贈与登記が完了するまでの手順から考えてみましょう。

パソコンでその手順を打ち込んでいきます。自分に合ったマニュアルのようなものを作っていきます。
頭の中で考えていても、全体像と個々に必要な書類が何なのかが分かりにくいと思います。
そこで、最初は大雑把に手順を作り、足りないところや修正する箇所は、後からでもいいので、とにかく完了するまでの手順をざっと作りましょう。
必要な書類は、チェックリストとして、手順の中に書き込みましょう。
そうすれば、いつでも、その手順を見直して、自分が今どの時点の作業をしているのか、必要書類はどこまで揃っているのかが分かるようになります。

贈与登記の具体的な手順

贈与登記の当事者(誰が誰に贈与しますか。)

手順の中で、まず考えることは、贈与登記の当事者、誰が誰に贈与するのかを考えます。
名義変更をしたいと思うとき、この時点で「 誰が誰に贈与するのか 」は決定していると思いますが、特に相続時精算課税制度を利用した贈与を行う場合、贈与する親(60歳以上)と贈与を受ける子や孫(20歳以上)の年齢が条件となっていますので、よく確認する必要があります。
また、夫婦間贈与(配偶者間贈与)の場合、贈与の当事者が「法律上の婚姻関係(戸籍に夫・妻と記載されている)」にある夫婦であることも条件となっていますので、この点もまずは踏まえる必要があります。

贈与する人のことを「贈与者」、贈与を受ける人のことを「受贈者」といいます。

贈与する割合は、全部ですか。一部ですか。

贈与で名義変更する場合、不動産では、所有権の全部を贈与することもできまし、その一部でも贈与することができます。
不動産の贈与では、暦年贈与(れきねんぞうよ)、夫婦間贈与(配偶者間贈与)、相続時精算課税制度を利用した贈与がありますが、それぞれ基礎控除額や特別控除額があります。
この基礎控除額や特別控除額は、不動産の贈与の価格から差し引くことのできる金額です。差し引いた後の金額が、贈与税の課税価格となります。

当初は、不動産の全部を贈与したいと考えていたところ、 基礎控除額や特別控除額を差し引いて計算した結果、 贈与税が課税されることになる場合があります。
この場合、贈与税を納めることになっても所有権全部を贈与するのか、 基礎控除額や特別控除額の(贈与税がかからない)範囲内で贈与するのかを選択することになります。これは、贈与の当事者の事情などを考慮して決めることになります。

暦年贈与の場合、基礎控除額:1年間110万円
夫婦間贈与(配偶者間贈与)の場合、特別控除額:2,110万円(2,000万円+110万円)
相続時精算課税制度を利用した贈与の場合、特別控除額:2,500万円

所有権全部を贈与する場合は、特に計算する必要はありませんが、不動産の一部を贈与することになる場合は、贈与する「持分」を計算することになります。
持分計算については、贈与する持分の計算方法を参考にしてください。

贈与登記の必要書類の取得と書類の作成

贈与登記の当事者と贈与する割合が確定しましたら、名義変更に必要な書類を取得したり、作成します。

贈与登記に必要な書類の取得

必要書類については、こちら贈与登記の必要書類を参考にしてください。

贈与登記に必要な書類の作成

書類の作成については、贈与契約書を作成し、これに当事者(贈与者・受贈者)が署名・捺印します。
贈与契約書が登記を申請する際の「登記原因証明情報」となります。

登記申請書の作成

以上の書類が揃いましたら、「不動産を管轄する登記所」に登記申請することになります。不動産を管轄する登記所は、こちらを見てください。
ただし、登記申請するには「登記申請書」を作成します。登記所に対し、こういう内容で登記してください、という意味で登記申請書を作成します。 贈与登記の必要書類を登記所に持って行っても、登記所は受付てくれません。登記申請書を必ず作成し、持参します。

自分で登記所に登記申請(登記申請書類を提出)する場合、登記申請書の作成方法については、法務省のホームページに記載がありますので参考にしてみてください。法務省の登記申請書作成方法は、こちらを参考にしてください。

登記申請、登記の完了、完了書類の受領

登記申請書も作成できましたら、不動産を管轄する登記所に登記申請します。
一般の方でもインターネットで申請する方法もありますが、ここまで準備するのも大変だと思います。さらに、インターネットで申請するとなると、さらにハードルが高くなって大変です。
ですから、登記申請書一式を持って、登記所の「受付」に提出する方法がよいと思います。その際、登記完了予定日が掲示されていますので、完了予定日に完了書類を受け取りに出向くことになります。
登記所に出向くときは、登記申請書に押印した贈与者と受贈者の「印鑑」を持って行きます。

登記の完了後に登記所に出向いて完了書類を受け取るには、登記申請書に押印した贈与者と受贈者「印鑑」を持参します。このほかに、写真付き身分証明書を持参します。

登記完了後に登記所から受け取る書類で重要な書類は、「登記識別情報通知」です。これは世間一般で「権利証」といわれているものです。これを登記所で受け取る場合は、受け取る人(基本的には受贈者)の写真付き身分証明書が必要です。
登記識別情報通知は、新しく名義人となった「受贈者」に対して発行されるものです。
登記の申請と登記識別情報通知の受け取りを、受贈者が贈与者に委任した場合、贈与者の写真付き身分証明書が必要です。
例えば、夫(贈与者)から妻(受贈者)に贈与登記した場合、妻(受贈者)が夫(贈与者)に登記の申請と登記識別情報通知の受け取りを委任した場合(委任状の作成も必要です。)、登記の完了後、夫(贈与者)の写真付き身分証明書を登記所に持参します。

登記完了書類(登記所から受け取る書類)は次のとおりです。
登記識別情報通知(権利証と言われるもの・重要書類)→ 不動産を売却などするときに必要となります。絶対に(100%)再発行されません。
・登記完了証
・提出した贈与契約書など

登記所で完了書類を受け取ったついでに、証明書発行係で、「登記事項証明書」の発行を請求し受領します。(1通600円)この登記事項証明書で、受贈者の名義に変更されたことを確認します。

登記完了証は、登記識別情報通知(権利証)に代わるものではありません。登記完了証を紛失しても問題ありません。
登記完了後、登記事項証明書を取得して、確かに名義人として登記されていることを確認します。

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