贈与名義変更登記【相談事例】
夫婦間贈与で名義変更する場合、納税額、不動産取得税、登録免許税などは、どのくらいかかりますか。また、必要書類を教えてください。
登記上の住所は、引越前の住所のままです。
物件所在地は九州ですが、九州に行くことなく、一連の作業をお願いすることが出来ますか。見積額もお知らせ下さい。
贈与名義変更登記【回答】
九州の土地・建物（アパート（共同住宅）
↓
アパート（共同住宅）の場合、贈与税が非課税となる「居住用の不動産」に該当しませんので、夫婦間贈与による非課税枠「2,000万円」控除を使うことができません。
夫婦間贈与による非課税枠「2,000万円」控除を使うことができるのは、「居宅」として登記されている建物で、贈与を受ける人が居住することが条件となります。
したがいまして、贈与税を計算する際、通常の贈与税の計算方法となります。
お知らせいただきました固定資産税・都市計画税納税通知書による土地・建物の価格は、土地：808,956円、建物：3,271,834円ですが、
土地：808,956円は、課税標準額だと思われます。
「（評価）価格」を基準に、登録免許税などを計算します。
「（評価）価格」は、固定資産税納税通知書の２ページ目以降の「課税明細書」に記載されています。一番高い金額が「（評価）価格」です。
土地の「（評価）価格」は、通常、課税標準額の約６倍ですので、
仮に、土地評価価格：4,853,736円で計算します。
また、贈与税の計算をする場合、
土地については、税務署の路線価で、建物については、固定資産税の評価価格：3,271,834円で計算します。
税務署の路線価は、通常、（評価）価格の約１・２倍ですので、仮に、5,824,483円で計算します。
夫婦間贈与（配偶者間贈与）で2,000万円控除の適用を受ける場合は、夫婦間贈与（配偶者間贈与）を参考にしてください。
贈与税について
上記の計算から
土地路線価価格：5,824,483円（仮）
建物評価価格：3,271,834円
合計：9,096,317円
9,096,317円－110万円（基礎控除額）＝7,996,317円
7,996,000円×30％（贈与税の税率）－90万円（控除額）
＝1,498,800円（贈与税・仮）
（贈与価格が600万円から1,000万円の場合、贈与税の税率は30％、控除額が90万円です。）
不動産取得税について
不動産取得税の計算方法は、次のとおりです。
土地：評価価格の２分の１：4,853,736円×1／2＝2,426,868円
建物：評価価格：3,271,834円
合計：5,698,702円
アパート（共同住宅）の場合、不動産取得税の税率は4％です。
5,698,000円×4％
＝227,920円（不動産取得税・仮）
登録免許税について
① 所有者の住所変更登記が必要となりますので、
物件の個数を仮に、土地と建物２個の場合、住所変更登記の登録免許税は2,000円です。
② 贈与登記（名義変更）の計算方法は、次のとおりです。
土地：評価価格：4,853,736円
建物：評価価格：3,271,834円
合計：8,125,570円
贈与の場合の登録免許税の税率は2％です。
8,125,000円×2％
＝162,500円（登録免許税・仮）
贈与登記する場合の必要書類
次の書類を揃えて、「登記申請書」を作成します。
そのほかに、「贈与契約書」を作成します。税務署に贈与税の申告・納税をする際に、このコピーを提出します。
贈与者（所有者）
① 権利証
② 印鑑証明書 １通
③ 住民票 １通
④ 固定資産税・評価証明書（土地・建物）
⑤ 身分証明書（運転免許証か健康保険証など）の写し
印鑑は「実印」が必要です。
受贈者（贈与を受ける人）
⑥ 住民票 １通
⑦ 身分証明書（運転免許証か健康保険証など）の写し
印鑑は「認印」です。
当事務所にご依頼される場合の登記費用
物件所在地が九州の場合の申請方法は、
インターネットによる申請と、書類一式を九州の法務局に郵送します。
完了後は、九州の法務局から当事務所に郵送されます。
登記費用
実費：166,124円（仮）＋200円（収入印紙代）＝166,324円
報酬：48,450円＋4,845円（消費税）
合計：219,619円（仮）
〇 実費
住所変更登記の登録免許税：2,000円（仮）
贈与登記の登録免許税：166,124円（仮）
その他の実費
登記事項事前確認：1物件につき332円。2通で664円。
登記事項証明書／完了：1通につき480円。2通で960円。
贈与契約書の貼付印紙代：200円
〇 司法書士報酬は、
住所変更登記：5,000円（税抜き）
贈与登記：46,000円（税抜）です。
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